19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆

 シャワーを浴びながら、自分の体がどんどん火照っていくことに沙耶香は気付いた。
バスルームに立ち込める熱気は、湯気のせいだけではない。


 曇ったガラスを手で拭くと、ピンク色に上気した自分の顔が映る。


やだ。


なんか期待してるみたいに見えるかな……。


 そう思い、両手で頬を包み込んでみる。
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