19の夏~私の愛した殺人鬼~
脱衣所には、栗田がストーブをつけていてくれて暖かい。
細かなところまで気が付く優しさは、ありがたかった。
服まで汚れていたので、栗田が出してくれている男物のシャツに袖を通す。
大きくてダボッとしたシャツは、栗田の香りが染み付いていた。
まるでワンピースを着ているような格好で出るのは恥ずかしかったが、服がないのだから仕方がない。
「やぁ、似合うね」
照れた様子で脱衣所から出ると、栗田がそう言って笑った。