19の夏~私の愛した殺人鬼~

お姉ちゃん……。


 昌代の事を考えると、こんな状況に関わらず涙がこぼれた。


こうやって、死んだんだね。


1人で寒い寒い山の奥で……。


栗田君に、こうやって……。


 その、瞬間だった。


 聞きなれた音楽が部屋の中に流れ始めたのだ。


「なんだ!?」


 驚いて、栗田が沙耶香から体を離す。


「この曲……」
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