19の夏~私の愛した殺人鬼~

 栗田の好きなクラシック音楽ではない。


 最近売れているアーティストの曲だ。


 沙耶香が、携帯電話の着歌に設定していた。


「……お姉ちゃん!?」


 弾かれたようにベッドから離れ、耳をすませる。


 栗田に腕をつかまれるが、それを振り払った。


「お姉ちゃん!? お姉ちゃんでしょう!?」
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