19の夏~私の愛した殺人鬼~
「動くな」
青年は低い声で一言いうと、からまった髪をほどいていく。
男にしては細くて白い指先。
だけど、決して頼りないわけではない。
その手ですべてのものを包み込んでしまいそうな、そんな大きさがある。
「……ありがとう」
「邪魔なんだよ」
紗耶香の言葉を見事に遮り、青年が言った。
「え?」
キョトンとして聞き返す紗耶香。
「髪、伸ばしたけりゃ結べ」
青年は表情ひとつ変えず、紗耶香へ向けて言ってのけた。
青年は低い声で一言いうと、からまった髪をほどいていく。
男にしては細くて白い指先。
だけど、決して頼りないわけではない。
その手ですべてのものを包み込んでしまいそうな、そんな大きさがある。
「……ありがとう」
「邪魔なんだよ」
紗耶香の言葉を見事に遮り、青年が言った。
「え?」
キョトンとして聞き返す紗耶香。
「髪、伸ばしたけりゃ結べ」
青年は表情ひとつ変えず、紗耶香へ向けて言ってのけた。