19の夏~私の愛した殺人鬼~
 廊下に出ていた数人の生徒たちが、青年の言葉に一瞬ざわついた。


 ロングのストレートヘアは、紗耶香のトレードマークだ。

 そうじゃなくても、紗耶香に向けてそんな事を言う人間など、この学校内にはいない。


 少なくても、今まではいなかった。


 紗耶香は青年の言葉を理解できず、キョトンとしたまま固まってしまう。


 そして


 気付いた時には、すでに青年はいなかったのだった……。

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