19の夏~私の愛した殺人鬼~
「冷やかしじゃない。
警察はどんな可能性も見逃してはいけないからだ」
シュボッ
ライターの炎がタバコに火をつける。
冬我の口から、少し紫かかった煙が丸く円を描いて吐き出された。
「で? その可能性の中にネコの能力を必要とするものがあるってのか?」
「あぁ、もちろんだ。だからここへ来た」
ハッキリとそう言いきる幸也に、冬我とネコは目を見交わせた。
「三つ目の男の、みっつめの目の能力が必要だ。
幽霊が見えるという、その能力が――!」