19の夏~私の愛した殺人鬼~
 昌代は軽く身震いし、更に早足で歩き出した。


 アパートまであと数十メートル。


 見慣れた建物は、もう目の前だ。




早く。


早く。


早く。


早く。




 一刻も早く、アパートへ逃げ込みたい。

 そんな思いから、昌代は走り出した。




早く。


早く。


早く。


早く。




 それでも何かの気配を感じるのか、たまに振り向いてはバランスを崩し、こけそうになる。




早く!


早く!!


早く!!!


早く!!!


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