piece

勿論ここに海はない。
海央はもーんとしていた。

「みおはよぉん♪」

ゆるくて
やわらかくて
温かい声がした。
のんちゃんは誰が見ても可愛らしくて
海央はほわんと笑顔になってしまう。

「昨日はまいったよぉ~
優奈の暴走ひさしぶりだったぁ」

「あはは!笑
なんとなく想像つくよ」

のんちゃんはほわんとしているが
ある程度は我慢や流したりできるところがあり
海央は自分と似ているところがあるので
ふたりで話をするのはし気が楽だった。
お互いに確認などはしないが
のんちゃんもそう思っていた。

「篠原くん
思ってた人じゃなかったね」

「確かに!笑
バイトのあとに電話してって
メールきてたけど
のんちゃんとミカにしか返さなかったよ~」

「マジかぁ
篠原くんがかけろよ!って感じだよね。笑」

「だよね~っ!?笑」

学校まで駅から10分ぐらいの道のりは
昨日のカラオケのダメ出しで盛り上がった。
ちなみに優奈はベロベロになり
チャラ男のひとりが同じ電車だったらしく
送っていくことになり
『絶対ヤるね、あれ』
とミカがずっと言っていたらしい。
あたしもそう思ったけどね
とのんちゃんが言った。

「…海央?
なんかあった?」

「うえっ!?
なんで!?」

のんちゃんの突然のひとことに
海央は思わず声が裏返ってしまった。

「ん~?
なんか海央いいにおいするから」

「(*゜Д゜*)!?」



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