心の友と書く『心友』がいますか?



「真琴?」



名前を呼ばれて顔を上げると、なぜか春香が目の前にいた。



「え?何で春香がいるの?」


「昼休み」


「は?」



気が付くとほとんどの受講生はすでに外に出たようで、教室はガランとしていた。





私、授業全然聞いてなかった・・・ガーン



「何か食べに行かない?」


「え?ノノちゃんは?」



付き合い始めてからは、予備校の行き帰りはもちろん、昨日は一緒にご飯を食べに行ってたから。



キョロキョロ見ても、ノノちゃんの姿はなくて。



「今日は一緒に帰るから、昼は真琴と過ごしたらって言われて」


「あはは。ノノちゃん、相変わらず大人だね」



もしかして、ノノちゃんの事だから何か勘付いたのかもしれない。



恐るべし・・・ノノちゃん大魔神。



鞄を持って教室を出ると、自習室や談話室はすでにたくさんの受講生たちがお弁当を広げていて


私と春香は夏期講習で何度か行った事のある予備校から少し離れたファーストフード店で腰を落ち着けた。





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