心の友と書く『心友』がいますか?
時計を見ると待ち合わせの10分前。
『了解。
あんまり遅いと
罰があるからな!』
潤から返信をもらっていた私は、今度もエスカレーターをさっきよりは少しゆっくり目だけど駆け降りて。
外に出ると、クリスマスイルミネーションがキラキラしていて、目を輝かせながら駅まで歩いていた。
「あっ佐藤さん!」
人混みの中から名前を呼ばれ、キョロキョロ見まわしていると、突然後ろから腕を引っ張られて。
ギョッとして振り返ると
「石原君?」
「今日は暇じゃないって言ってなかったっけ?」
「いえいえ、暇じゃないです」
「じゃあ、何で此処に1人でいるの?」
これから潤と待ち合わせなんです!
私が言いかけようとすると、グイグイと腕を引っ張って駅と反対方向へと進んでいく。
私、そっちには用事がないんです!
「ちょっと!」
思いっきり腕を振り上げたのと同時に、潤へ渡そうと思っていたプレゼントの袋がバサッと落ちた。
あわてて拾おうとすると、さっと石原君の手によって奪われて。