心の友と書く『心友』がいますか?
潤は後ろから抱え込むように私を庇いながら
「拓也!お前真琴に何やってんだよ!」
潤の声を聞いたと同時に足から力が抜けて脱力した私は地面にへたり込んでいた。
「やだ・・・やだよ・・・」
両手で体を包み込んでしゃがんだ私の視界に入った見慣れたスニーカーを見ると助かったと思えて。
「あれ〜?何で此処で潤が登場?」
「真琴と待ち合わせしてたんだよ!」
「は?真琴ちゃんの友達って潤?」
石原君は潤が来た事になぜか焦った声を出していて
潤に何か言い訳してたけど
私はただ、石原君に触られたところが気持ち悪くて
ボロボロと泣きだしていたんだ。
恋愛初心者の私にとって、自分が好きでない人と付き合えない理由。
一度、彼氏という存在に憧れて付き合ったことのある中学時代の同級生に
突然抱きしめられてキスされそうになった。
そこまで好きじゃなかった私は、その行為自体が受け入れられなくて彼を突き飛ばした。
それでも若気の至りというのか、彼は何度も何度もキスしようとしてきて。