心の友と書く『心友』がいますか?
『T大学に合格したい!』と気合を入れて書いたものを、他の絵馬と同じように奉納してもらうと
「真琴、お守り買っとくか?」
父のセリフに頷いて、一緒に境内にある売り場(?)へ向かった。
お守りって言っても学問の神様とか有名な神社じゃなくて、ホントに地元の氏子が来るだけの小さい所。
だけど、なんとなく御利益があるといいなと思い
「すいません、合格祈願のお守り5個とこっちの干支のキーホルダーを2個下さい」
巫女さんの恰好をしたお姉さんに声を掛けた。
「お友達にか?」
「うん。今のクラスですごく仲がいいの、皆」
「そっか。皆にご利益があるといいな」
「うん」
なぜか全員でお揃いのお守りを持ってみたいなんて思ったのは
きっと、年が明けるとセンター試験があって、その後は自由登校になる。
へたすると卒業式まで会えなくなるから。
あと1年、せめて2年生の時に皆と知り合っていたら、修学旅行や他の事も楽しめたんじゃないかと思うとちょっと寂しく思えて。