心の友と書く『心友』がいますか?
予備校もすでに講義はなくて、このまま家に帰って勉強するだけ。
さすがにセンターが終わった後で気が抜けてるのもあるんだけど、遊ぶ気にはさすがになれなくて。
真美子は早々とメールするね〜と手を振って教室を出て行き
菜々美は短大入学前に少しでも稼ぎたいと始めたバイトへ向かうため帰る準備をしていて。
弥生は卒業式で読む答辞の内容を先生に確認するため担当教師のいる社会準備室へ行っていた。
「なぁ真琴」
「ん?」
「お前、受験日っていつだったっけ?」
「あ〜来月の5日と14日。潤は?」
「俺は1日と15日」
「そっか。じゃあ最初の受験までもう少しだね」
「そっ、もう1週間とちょいかな」
「何かさ、今更ジタバタしてもって思うんだけど」
「「悪あがきしたくなる」」
なぜか声が揃っていて、お互い顔を見合わせてプッと吹き出した。
こうして、潤と同じ教室でこうやって話すのも今日と卒業式の時なんだと思うと少し寂しいなと思えて。
「まぁ、希望大学が受かったら一緒だしな」
「あっそっか。潤と私って同じ大学志望だった」