心の友と書く『心友』がいますか?



たぶんこれから一緒に帰るのかノノちゃんは鞄を机まで取りに来ると



「帰る?」


「いや、お邪魔虫は退散するし」


「真琴は?」


「あっ、私も」


「真琴は強制連行!」



退散すると言う言葉は春香の強制連行の言葉にかき消されて



「え?ちょっ、何で?」



私は春香に首根っこを掴まれ、ずるずると引っ張られていた。



「じゃあ真琴、お互い頑張ろうな」



潤は、爽やかに手を振っていて。





ってか助けてよ!







強制連行先は、イブ前に潤と来たファミレス。



さすがに、午前中で終わった3年生と違い他の学年は午後も授業があるし


3年生も受験シーズンなのでファミレスに立ち寄ることもなく、周りは母親世代のグループや子連れのお母さんがチラホラいるぐらいで店内は落ち着いていた。



若いお母さん達はノノちゃんを見て顔を少し赤らめたり横のお友達と気付かれないように指差したりしてたんだけど、私は気付かないふりをした。


やっぱり慣れてきてたんだな、ノノちゃんに対する周りの反応に。





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