心の友と書く『心友』がいますか?



その間、終始無言で。


何度か話しかけようとしたけど、潤は車窓を眺めていて。



その横顔を見てると、それだけで幸せに感じる私って



いつの間にこれだけ潤の事を好きになっていたんだろう。



春香とノノちゃんと話してから、潤の顔を見るのはホントに久しぶりに感じていて。



このままずっとこの時間が続けばいいと思っていたのに。



なのに3駅ってあっという間で、10分もすれば到着するんだな。



電車を降りると、乗り換えホームは潤と別で。



正直どうしたらいいのか分からなかった。



お茶でもと思っても、明日は潤の受験が控えてるし。



すると、今まで黙っていた潤がコートのポケットに手袋をした手を突っ込んで



「これな、俺の机に入ってたんだ」



目の前に掲げたのは私が昨日入れた赤いお守り。



「誰がくれたのか分かんないんだ。バレンタインのチョコに挟まっててさ。メッセージカードも何もなくて。


だけどなんかこれ見たら真琴の事思い出して、気が付くと会場に着いてた」





< 203 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop