心の友と書く『心友』がいますか?



「だけどお前の受験の日に春香から連絡があってすぐに学校へ行けって言われて


そのまま教室に行ったらチョコがいくつかあって。


その中でお守りを見つけた時に、そのまま握ってて。気がつくと教室飛び出して大学に向かってたんだ。


なんかお前に呼ばれてる気がしてさ」





お守りが引き寄せてくれたのかな、潤?



「受験の時は皆のお守りポケットに入れて、この赤いお守りをお前からもらったお守りと一緒に受験票の横に置いて。


そしたら今日、誰からもらったのかはっきり分かって」



潤の言葉が私の胸を暖かくしてくれるのに、心臓だけはドクドクと激しく脈を刻んでいて







「俺、お前の事・・・真琴の事がずっと好きだった」





潤は私にだけ聞こえる小さな声だけど気持ちをちゃんと伝えてくれて。



私はギュッと潤の学生服の袖を掴んだ。



「お前が精一杯気持ちを伝えてくれたんだから、俺は自分の口でちゃんと伝えたいって思ったから」





『心友』から真琴の彼氏に格上げしてもらえない?





そう言うと少しだけ力を込めて抱きしめてくれた。





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