心の友と書く『心友』がいますか?



私がガバッと潤の胸から顔をあげると、潤は微笑んでいて学ランのポケットの中からボタンを1つ取り出すと私の目の前に翳した。



「これって・・・」


「うん。ベタだけど第2ボタン」



はいと手渡されると私はそのボタンを受け取った。



学ランのボタンがなくなっていたから、てっきり潤の好きな子か後輩にあげたんだと思ってたのに。



「もらって・・・いいの?」


「うん。俺の気持ち」


「・・・ありがとう」


「で、真琴は?」


「え?」


「俺も真琴の口からちゃんと聞いてみたい」



潤は真剣な顔をして私の顔を覗きこんでいて。



私はカァァッと顔が熱くなる。



だって、潤本人を目の前にして言うなんて・・・恥ずかしすぎるし。



「俺の気持ちは伝わった?」


「・・・うん」



潤から何も言われなくなったので、そろっと顔を見ると潤は目を瞑っている。



きっと私が恥ずかしくて言えないって事分かってるんだ。




佐藤真琴!ここで度胸を見せないと!



潤はちゃんと私に伝えてくれたんだから。





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