心の友と書く『心友』がいますか?
「あはは、そうなんだ。私、好きな人いるから林君とは友達だよ」
井上さん、あなたサラリとすごいこと言ってませんか?
『好きな人いるから』って・・・
あんぐりと口を開けていた私を見て面白かったのか、クスクス笑っている井上さんがちょっとだけ大人に見えた。
いや〜井上さんの意外な一面が知れただけでも今日は大収穫だ!
とにかく聞きたい事をちゃんと聞けた私はスッキリしたので
「聞きたい事も聞けたし、そろそろ帰ろっかな」
立ち上がった私に井上さんはまだ用事があるからと言って
「じゃあ明日からよろしく、佐藤さん」
「あっ真琴でいいよ。佐藤さんって何だか痒くって」
・・・どこかで聞いたセリフを言ったような気が・・・?
「私は何でもいいんだけど・・・でも名前で呼んでもらった方が嬉しいかな」
「じゃあ弥生でいい?」
「名前知っててくれたんだ!」
嬉しいなと少し赤らめた弥生が可愛く見えて、じゃあねと手を振って自分の席から鞄を持って教室を出る。
ちょうど入れ違いに違うクラスの男の子が私の開けた扉から入っていくのがチラッと見えたんだけど・・・