心の友と書く『心友』がいますか?


今度は感情が高ぶりすぎたのか涙を浮かべる愛に、私は少しも同情せずに、今まで決して言わなかった事をぶつけた。



「あんたは私に何を求めてたの?惚気話に羨ましいって言われたかったの?今までの彼氏の不満に頷いて欲しかったの?


友達って、自分の思った通りの受け答えだけを求めるものなの?」



そうなんだ。


何で、私も春香も自分の事を愛に話せなかったのか。


愛は、私達の話を全然聞いてなくて。


自分の話だけを聞いてもらいたいってオーラ全開で。


自分が言って欲しい言葉を誘導するように話していて。


『愛が羨ましい』『愛の言う通りだよね』『愛って』


自分が常に話題の中心じゃないとダメな子だった。



春香ももちろん、愛の考えてる事を分かっていて。



だからあくまでも私達の愛に対してのカテゴリーは


ただの『友達』だったんだ。



それが分かったから、私達は自分の話をせず、ただ愛が満足するように話を聞いていて。



でもさ、私達にだって感情っていうものは持ち合わせていて。


愛の考え通りに同調する事をしなかっただけ。





< 51 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop