心の友と書く『心友』がいますか?
だけど、気が付くと頬が濡れていて・・・
友達を1人失ったんだと・・・気付いた。
「まぁ仕方ないよ」
自分に言い聞かせるように、ゴシゴシと顔を擦ると言いたい事を言い切った心はスッキリとしていて。
やっぱり『心友』ってより『友達』自体を作ることは難しいんだと思った。
教室に戻ると、弥生の席に菜々美と真美子がいて。
表情から、昨日の出来事を聞いたんだと思った。
「おかえり〜」
真美子は私のスッキリした顔を見てホッとしたのか、思わず膝の力が抜けそうなぐらいのんびりした声で手を振ってくれていて。
菜々美と弥生は顔を見合わせてから、同じようにおかえりと声を揃えていた。
「弥生」
3人の所まで近づいた私は、少し困った顔をしていた弥生に向かって
「ちゃんと話してきたから。だけど言い方が悪かったのかな。ちゃんと気持ちが伝わらなくてさ・・・」
「真琴、ありがとう。私の事なのに自分の事みたいに怒ってくれて」
すごく嬉しいんだっていう弥生の笑顔を見て友達の愛を失ったけど、弥生って存在を得たんだと思うと
少しだけ泣けてきた。