心の友と書く『心友』がいますか?
☆4☆
【己をしっかり磨きなさい!】
「おはよ〜」
「久しぶり〜元気だった?」
「色白いよね、皆」
新学期、登校した私達はキャーキャー言いながら久々の再会に感動していた。
今年はさすがに海なし・遊びなしの予備校漬けだったから
夏だと言うのに日焼けの跡といえば通学焼けぐらいで・・・
「あ〜来週からの実力テスト、憂鬱だ!」
菜々美の一言に現実へと引き戻された。
・・・忘れてた!
夏休み中の話にワイワイ言いながら、体育館に移動して校長先生の長い話を欠伸しながら聞き終わって
私達4人は教室へ向かって歩いていた。
「佐藤さん、これ落としてない?」
振り返ると、知らない子が声を掛けてくれていて、手には私のハンカチを持っていた。
さっき、汗を拭いた後スカートのポケットに入れたはずなのに。
ポケットに手を入れたけど、ハンカチは入っていなくて。
「あっごめんね。落としちゃったみたい」
ありがとうと言ってハンカチを受け取ると、その子はニッコリと笑ってくれた。