心の友と書く『心友』がいますか?


腕時計を見ながら話って何?という顔を見せないように誤魔化した。



「15分でもお願いできるかしら?」



可愛く首を傾げている宮本さんを見て思わず眉を潜めちゃった。



だって・・・目が笑ってないし。



話が終わったらそのまま予備校へ向かおうと思った私は鞄を持って「何処で話すの?」と作り笑顔で問いかけた。





中庭に着いた私はベンチに腰掛けると、宮本さんは座らずになぜか私の目の前に立っていて。



「で、話って何?」



小さい彼女でも座っている私は見上げないと顔が見えない。



彼女はしばらく俯いて黙っていたけど、覚悟したように顔を上げると潤の事なんだけどと切り出した。



「潤がいつも佐藤さんにお世話になってるって聞いて、お礼を言いたくて」



そう言って頭を下げる彼女に



私は・・・なぜか少しムカついた。


ってか、だから何?



私の訝しげな顔に気付いたのか、彼女は少し得意げな顔をして



「私、看護師をめざしてて理数系を選択してるのね。潤は文系の選択をしてるからあまり勉強の話とかできなくって」



それは何となく分かる、うん。





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