ケンカ上等☆SS[*SUMver]
「な〜翼、イバラに強いヤツいるらしいよ〜」
大量に買った花火、その他もろもろを持って目的地まで向かう途中。
「だから、なんだよ?」
太陽の話に耳を傾けてると、体力消耗するっつーかさ。
「いや〜、翼めっちゃ強いけど、その人どうなんだろうって思っただけ〜」
「別に俺には関係ねぇよ」
なんっかイライラすんだよな。
「チビ、太陽の相手してやれ」
電話でいち早く待ち合わせたチビは、俺たちの手伝いをしてくれてる。
最初は直感的に気に入らねぇって思ってたけど、長時間絡むなら太陽よりはマシだな。
「無理っスよ。
太陽の相手したら遊ぶ分の体力なくなっちゃうっス」
…だろうな。
「翼さ〜、なんで花火しようって言い出したの〜?」
おいおい、太陽そこスルーかよ。
「思い出づくりのためっスよね?」
話題いきなり変わってるし。
そうだな、理由か。
思い出づくり?
なんか、ちげーよな。
「やっぱ、即興じゃね?」
思い出づくりまで計算して、俺はわざわざ花火しねぇっつーの。
「それ照れ隠しっしょ〜」
「そっスよね。
翼先輩、思い出づくりしたいなら、そう言っていいんスよ」
「うっせぇな。
俺は単に花火がやりたかっただけだ!
即興だろ、そういうの」
誰が照れ隠しなんかするかよ。
「みんな遅いよー!」
言い合いながら河原に着くと、聞き慣れた声が俺らを呼んだ。
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