ケンカ上等☆SS[*SUMver]
花火を持った男子3人が近づいてくる。
芽咲から連絡をもらって、あたしも参加することにしたプチ花火大会。
「おまえ、コレ開けろ」
翼から1つの花火セットを受け取る。
「線香花火は最後にとっとこうねぇーっ」
芽咲の意見の通り、みんな線香花火を除いてバラバラに花火を手にした。
「ちょっ、白石、危ないっスよ」
「がっはっはっ、オレは無敵だぁ〜!!」
花火を振り回す太陽と、それを避けるように遠ざかる歩夢。
「太陽、危ないからやめてよぉ」
芽咲の注意で少しおとなしくなったものの。
1番はしゃいでるのは太陽かな。
あたしはふと思い立って、宙に花火を舞わせる。
何をしたのか、わかるよね?
花火の煙で字を書いたの。
「¨き¨……?
おまえ、今なんて書いた?」
背後から声がして、驚いて振り返ると。
「つ.つばさっ!」
「なに驚いてんだよ」
「だだだ.だって!」
「で、さっきおまえが書いてた文字は?」
うっ、それは言えない。
「翼には、教えてあげない」
「なんでだよ?」
「……内緒」
そう。まだ内緒だよ。
宙に書いて儚く消えた言葉は。
冬になったら、教えてあげられるから。
あなたへの気持ち。
¨ だ い す き ¨
[END].