ケンカ上等☆SS[*SUMver]
「イベント?」
芽咲から電話がかかってきたのは数分前。
翼先輩が花火をやるって言い出した、とかなんとか。
とりあえず、見慣れた棚からまだ見ていないDVDをあさる。
暗いところは苦手だけど、ホラー系は嫌いじゃない。
ほら、やっぱり夏には恐怖が1番でしょ?
涼しくなるし。
でも、こうやってのんびり選んでる余裕はないのかな。
翼先輩たちと合流するために、陸雷高校近くの河原に向かわなきゃいけないし。
俺の家からだと、割と遠かったりする。
だから、
「あ、翼先輩?
今からそっち向かいたいんスけど」
電話で互いの居場所をチェック。
白石の騒がしい声が邪魔だったことは言うまでもない。
結局手ぶらで店を出て駅に向かっていると、
「あ、」
意外にも知っている顔をみつけて嬉しくなる。
駆け寄ると、それに気づいたのか向こうも俺を見て意外そうな表情をした。
「珍しいっスね、こんなとこで会うなんて。
なんか用事っスか?」
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