ケンカ上等☆SS[*SUMver]
美弥薇が、今日はなぜか理由もなしに休暇をとった。
ま、常に気まぐれなヤツだ。
それを考えれば不思議なことじゃない。
ただ、今日は無意味にケンカをしなくていいことが救いだった。
はっきり言って無駄に体力を使って、無駄に強くなっても仕方がない。
利点があるわけでもないしな。
「仁先輩!」
目の前で相変わらず目を輝かせているコイツは、相当幸せ者だと思う。
「今日の夜、花火やるんスよ」
「良かったな」
「はい!
翼先輩に会えるし、めちゃくちゃ楽しみっス」
そういや、コイツは稲妻とも面識があるんだったな。
所属が竜巻のくせに、稲妻と棘と関わりがあるとは得なヤツだ。
すぐに新しい情報が手に入る。
「あ、じゃあ、俺こっちなんで。
仁先輩、次休みできたら連絡ください」
普段通り、手を挙げて俺を振り返る。
「前を見て歩け」
このセリフも固定されているようなものか。
忠告してやったにも関わらず、アイツは転ぶヤツだ。
………に、しても。
利点、あったな。
飛竜、おまえとは互角にやり合えそうだぜ。
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