涙空-ruizora-
「ねぇ……名前何て言うの?」
初めは誰に話しかけているのか分からなかったから、その子があたしに話しかけていると分かったのは、怒鳴られてからだった。
「ねえ!きこえてんの!?」
『えっ………あ…あたし?』
「そうよ。あなた以外に誰がいるって言うのよ。」
性格悪そう……
『何ですか?』
「何ですか?じゃないわよ。私、蘭弥生。友達にならない?」
『あー、すいません。あたし、別に友達とかいいです。』
あたしは、そのまま教室に向かって歩き出す。
だって、どうせ友達とか口だけじゃん。
「えっ…………ちょっ………待ってよ!」
『まだ何か?』
「何でダメなの?」
『何ででしょうね』
やっちゃった………
何て思ったのもつかの間、予想通りだけど聞きたくない言葉が背中になげられた。
「何よ。偉そうに。生意気な口聞きやがって。ただじゃおかないから……」
わおー…………
来ました来ました女王様キャラ。
怖いねー
一人は居るだろうって思ってたけど、まさか、こんな早くに発見しちゃうなんて…………