一途なカラダ。
「あの、お母様。」

「はい。」

「今日は挨拶に来ただけなので、本来ならそろそろお暇するべきなのはわかっています。
でも……。」

え、何?

もしかして……。

「1時間だけ、若菜さんと二人で話をしてもよろしいでしょうか。
今後の授業の進め方等を決めておきたいので。」

やっぱり、そうくるか。

「まあぁ。こちらこそよろしくお願い致します。」

「ありがとうございます。
では…。」

「えぇ。若菜?
ちゃんと先生の話聞くのよ?
では私はこれで。」

バタン

とりあえず椅子を出し、座るよう促す。

「あの、どうぞ。」

「あぁ、ありがとう。」

そうは言うものの、なかなか座ろうとしない。

「あの、座らな……。」

「彼氏いるの?」

言葉を遮られ少しイラッとしながらも、質問に答える。

「えぇ、まぁ、一応……。」

だから、さっさと決める事決めて早く出ていってもらいたい。

本来この部屋に入っていい男はお父さんと慶斗だけなんだから。
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