もっと腐ってもいいんじゃない?


 1番に私の席に飛んで来てくれたのだった。


 見たこともない女の子が、目の前で笑っている。

 クリタが、その時、天使に見えたのを覚えている。




 なんて答えたらいいのか、分からない、戸惑う心と、焦る気持ちで、混乱してしまった。



 何か言わないと、何でもいいから、言わないと、

 と、自分に言い聞かせた。


 「ぅん、ありがとう。よろしくね。」


 傷ついている心を、悟られまいと、満面の笑みを作り、そう答えた。




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