【続】幼なじみは俺様王子。
だけど楓は、というよりも、楓とあたしの関係はここ数ヶ月でかなり変わっていた。
彼氏と彼女なのは変わりないんだけど……。
楓は、面倒見がよくなった気がする。
今みたいに“電話しろ”とか“夜更かししてないで早く寝ろ”とか、保護者みたいなことをよく言うようになった。
それにあたしも従う感じ。
保護者と子供みたいな。
あぁああああ!
そうだった!
あたし、肝心なこと忘れてた!
「ねぇ、楓!」
勢いよく立ち上がったあたしを見て、楓は少し驚いていた。
「……なんだよ?」
怪訝そうにあたしを見つめる。
さくら祭りのこと言わなきゃね。
目をキラキラと輝かせながら、あたしは口を開いた。
「今週の週末にね、『さくら祭り』っていうのがあるらしいんだけど…っ!」
「さくら祭り……?」
あたしの言葉を聞いた途端、楓は眉を寄せて何か考え込んでいる様子……。