【続】幼なじみは俺様王子。
『ホラーハウス』
と、ボロボロな字で書いてある“いかにも”な看板。
それも所々に血がついていて、ゾッとするような外観。
まるで豪邸が幽霊屋敷に変化してしまったかのよう……
「“史上最強の恐怖にアナタをご案内”だって! 確かここ、雑誌で載ってたところかも!」
目をキラキラと輝かせてホラーハウスを眺める。
あ、あーちゃん、本気で言ってるの……?
しかも、こんな怖そうなところ。
外観を見ているだけで、あたし、気絶しそうなのに……
待ち時間は確かに他のアトラクションよりも短い、けど……
「本当に実在していたものを再現したんですって! 面白そう~!」
「さあ、行くわよ!」と気合い十分でエントランスに向かっていくあーちゃん。
「ちょっと、あーちゃん!本気でここに入るの?」
「当たり前じゃない!」と願ってもいない答えが返ってくる。
瞬間、いかにも死神みたいな掠れた笑い声がホラーハウスから聞こえてくる。