【続】幼なじみは俺様王子。
だんだん暗闇にも慣れてきて、楓の姿や周りが見えるようになった。
な、なんか不気味……
長い廊下をただひたすら歩くあたし達。
おかしいな……
こんな一本道なのに、誰の姿も見当たらない。
「なぁ、穂香」
楓があたしの名前を呼んで、ポンポンと肩を叩く。
「ん?」と横を見た瞬間背筋が凍った。
壁にかけられた肖像画の目がギョロリとこちらを見ているのだ。
な、なんなのコノ人……
モナリザと死神の混合物みたいな肖像画は少し笑ってるようにも見えた。
「今、目が合ったよ……」
「穂香のこと、気に入ったらしいな」
き、気に入ったらしいなって……
アナタ、エスパー相沢は人の心だけじゃなく、こんな肖像画の気持ちまでも読んでしまうのね……
てかてか、それより、どうしてこんな気味の悪い肖像画を廊下なんかに飾るのよっ!
本当、ここに住んでいたっていう大富豪サンのセンスを疑うわ……