【続】幼なじみは俺様王子。
「ここに入るみたいだな」
楓がポツリと呟いて、古い扉に手をかける。
どうやらここで行き止まりらしい。
従業員の人に渡された小さなライトを扉に照らすと、書斎とかかれたプレートが今にも落ちそうにかかっていた。
怖すぎて入れないって。こんなところ。
「ねぇ、やっぱり違うところに……」
「ぎゃあああああっ!」
あたしの声を遮って、ヒステリックな声が扉の奥で聞こえた。
こ、この声は……
「あの声、南だろ」
ごもっともです……
ま、まさかあのあーちゃんがあんな悲鳴をあげるなんて……
ちょっとやそっとのホラー映画とかでも平気で観てるのに。
そんなに怖いの……?
あーちゃんの悲鳴を聞いて、ますます怖くなる。
ドキドキと心臓が速く音をたてている音がここからでも聞こえてくるくらい。