【続】幼なじみは俺様王子。
「ぷっ。お前、なんつー顔してんだよ」
あたしの顔を見た楓は、腹を抱えてケラケラと笑ってる。
「……ち、ちょっと!」
こんな状況でよくこんな笑ってられるわね……
ある意味最強かも。
「お前今、鳩が豆鉄砲くらったような顔してたぞ?」
鳩が豆鉄砲くらったような顔って……
いくら何でもひどすぎるでしょ。
こんな状況じゃ、嫌でもそういう顔になるつーの!
「……んもう!変なこと言ってないで、早く行こう!」
もう怒った!
こんなとこにいつまでもいないで、早くゴールしてやるんだから!
……少し、いやめちゃくちゃ怖いけど……。
これも女の子の試練だ!
意を決して、ドアノブに手をかける。
目をつぶって思いっきり扉を開けた。
ゆっくりと目を開く。
そこには、あーちゃん達の姿も幽霊らしき姿もなかった。
だだっ広い部屋に、ズラッと並んだ本棚に何冊あるんだろってくらいの本が収納されている。