【続】幼なじみは俺様王子。
『さくら祭り』が行われる『蓁宮(しんぐう)神社』は、沢山の人で賑わっていた。
楓と2人並んで、あーちゃん達を探す。
「あ、あーちゃん!」
あたしの視線の先には、瀬川クンと手を繋ぎながら、顔を真っ赤にしているあーちゃんの姿があった。
あーちゃんの姿を見て、あたしは言葉を失った。
白地の花柄のワンピースに、白いパンプスを身にまとったあーちゃん。
あーちゃんの、そんな姿はなんだか新鮮で。
いつも、あーちゃんはもっとセクシーな服を着ているのに。
こんなあーちゃん、初めて見た……。
「……あ、穂香!」
あたしの視線に気づいたのか、あーちゃんは笑顔で手を振りながら、あたし達の方へ向かって走ってくる。
コツンッ…コツンッと、あーちゃんのパンプスのヒールが音をたてた。
「あーちゃん、可愛いね!」
瀬川クンと一緒に駆け寄ってきたあーちゃんに、あたしが笑顔でそう言うと。
「え? そ、そう?」
ほんのり頬を赤らめながら、瀬川クンを見上げた。