【続】幼なじみは俺様王子。
ど、どうしよう。
頭もカラダもよく回らないよぉ……
このままじゃ、本当に……
なにも出来ないまま、立ち尽くすと同時に、力強く手を後ろに引っ張られた。
――フラッ……
バランスを崩して、そのまま後ろに倒れる。
ど、どうなってるの……!?
後ろに倒れるのを覚悟の上で目をギュッと閉じると、ボスッとなにかクッションのようなものがあたさのカラダを支えた。
そのまま、ゆっくりと目を開く。
よかったぁ……
助かったみたい。
だけど、この後ろのヤツなんだろ……?
クッションにしては、少し固いような……
正面にいる水沢日向クンがあたしの背後を見て驚いたように目を見開いた。
「なんで、お前……」
……えええ???
なにがどうなってるの?
「コイツ、俺の“獲物”なんだけど?」
すると、耳のすぐ側で声が聞こえた。
その声は、どこか安心する声で……
聞こえた途端、目頭がジワッと熱くなるのがわかる。