【続】幼なじみは俺様王子。




どうしてだろう。


彼は肝心な時にこうしてあたしを助けてくれるんだ。


時折、びっくりすることがある。


盗聴器でもつけてるんじゃないかって。


「……コイツに手出しするなって言ったろ?」


甘味な言葉と、甘い香水の香りがあたしの肌をくすぐる。


目の前にいる水沢日向クンは、ただただ目を丸くして楓を見つめていた。


「バカ王子、お前……なんでこの場所が分かったんだよ?」


「愛の力ってヤツ?」


怪訝そうに眉を寄せて、不敵に微笑む楓を真っ直ぐに見つめる水沢日向クン。


……むむむ?


ただならぬ空気……


このふたりが揃うと、物凄く嫌な雰囲気を醸し出すんだよね……


まるで、楓と爽みたい。


「お前がなにを企んでんだか知らねぇが、コイツには手を出すな」


そして楓は、コイツは俺のものだと言わんばかりにあたしをギュッと抱き寄せた。


さっきより直に、楓の胸の鼓動と吐息を感じる。




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