【続】幼なじみは俺様王子。
あわわわわ……っ!
助けてくれたのはすっごく嬉しいけど、さすがにこれは恥ずかしいよ……。
「……お前には分からないよ。絶対に」
「どうだろうな?」
ふたりの会話の意図が全く分からなくて、あたしは首を傾げることしか出来なかった。
水沢日向クンの意味深な発言の意味を、楓はなんとなく気づき始めているのかもしれない。
なんとなくだけど、そう感じた。
「クスッ」と笑った水沢日向クンが、だるそうにシャツを捲りながらあたしに視線を向ける。
そして爽やかな笑みでニコリと微笑んで、また楓を見つめた。
「また、いつ彼女を攫うか分からないから、警戒してね?王子様?」
挑発的にそう言い放って水沢日向クンは立ち去った。