【続】幼なじみは俺様王子。




『今週末は、どんよりとした天気が続くでしょう。昨年より少し早い梅雨明けとなりそうです』


屋外にいるお天気キャスターが傘を差しながら残念そうな表情を浮かべる。


この広いリビングからはキャスターの声と窓を強く叩く雨音しか聞こえてこない。


はぁ……


せっかくの週末なのにこんな雨じゃ、気分ものらないよぉ。


寝起きのルームウェア姿のまま、ため息をついてソファーに寝っ転がる。


週末、最近楓は家を空けてることが多い。


だから、こうやってひとりぼっちの休日を過ごしてる。


暇だ。実に暇すぎる……


まだ11時を回ったところだと言うのに、窓の外は夜みたいに真っ暗だ。


……グゥ~。


「でも腹の虫だけは、ご立派に鳴るのよね……」


あたしは重いカラダを起こしてダイニングへと足を進める。


すると、ダイニングテーブルに置かれた料理に目が止まった。


レタスとトマトとアボガド、その上には豚しゃぶと細かく切ったきゅうりがのせられている。


あたしの大好きなサラダだ。




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