【続】幼なじみは俺様王子。
その隣にはパスタの王道ナポリタンがケチャップの匂いをプンプンと漂わせている。
思わず、唾をゴクリと飲み込む。
お、美味しそう……
楓、あたしのために作ってくれたのかな?
あたしはすぐさまリビングへ戻り、携帯を開いた。
メールの送信画面を覗きながら、カチカチと音を立てて本文を打つ。
【To 楓】
【sud 】
リビングに置いてあるご飯、いただきます。
――――END――――
……送信完了っと。
やっぱり一応、許可くらいは得といった方がいいもんね。
あたしはソファーの上に携帯を無造作に置いてダイニングへと向かい、楓特製のナポリタンを前に座る。
香ばしいケチャップの香り。
玉ねぎやピーマン、ウインナーの素材の匂い。
漂う美味しそうなの匂いにもう、待ちきれないと言わんばかりにお腹の虫は鳴り止まない。
「いっただっきまぁす♪」
ナポリタンをクルクルと手にしたフォークに巻きつける。