【続】幼なじみは俺様王子。
「あーん」とこれでもかって程、大きく口を開けてナポリタンを食べようとした時……
~♪~♪~♪
愉快な音楽とともに、ソファーの上で携帯が震えた。
……ん?
誰よ、こんな時に……
あたしは一旦、手を止めて再びリビングへと向かう。
まるで早く出ろと言わんばかりに鳴り続ける携帯を取り、ディスプレイを覗く。
そこに映し出された文字は、滅多に目にすることのない名前だった。
【着信 水沢日向クン】
水沢日向クンから電話がかかってくるなんて初めて……
少し戸惑いを感じながらも、意を決して通話ボタンを押す。
「も、もしもし……?」
携帯を耳に当てて、電話越しの応答を待つ。
『……あ。穂香?』
その声の主はやっぱり水沢日向クンだ。
「そう、だけど」
一体、どうしたんだろう?
何を言われるのかとドキドキしながら待つ時間が物凄く長く感じる。
そんなあたしの気持ちとは裏腹に、水沢日向クンは軽い口調で言い放った。