【続】幼なじみは俺様王子。
通話終了の画面が点滅して、あたしは携帯をパタンと閉じた。
……絶対に行かない。
それで、行ったら向こうの思う壷でしょ?
だけど……
知りたい。知らなくちゃいけない。
これ以上、誤解を招くような真似は出来ない。
だから、行くべきなのかもしれない。
何かが変わるかもしれないから……。
そう決心して、あたしはルームウェアのまま、パーカーを羽織り、傘も持たずに外へと飛び出した。
雨は止むことを知らず、さっきよりも大降りになっている。
大粒の雨が、あたしの髪やカラダを濡らしていく。
だけど、今はそんなこと気にしている余裕なんてない。
水沢日向クンは、場所を伝えなかった。
それはミスなのか、それともわざとなのかわからない。
だけど、大体の検討はついている。
あたしも、水沢日向クンも知っている場所……
あたしは目的地に向かって、足を早めた。