【続】幼なじみは俺様王子。
◆雨中の救世主
息を切らして立ち止まる先に、やっぱり水沢日向クンがいた。
あたしに気づいた彼は、笑顔を見せ、あたしの元へ近づいてくる。
あたしの勘は外れてなんていなかった。
あたしと水沢日向クンが初めて出会った場所。
家からそう遠くない、あたしが水沢日向クンのネックレスを拾ったあのコンビニだ。
「この場所にいるって、わかったんだ?」
青い傘を差して雨粒を避ける彼が、挑発的に笑みを浮かべる。
「はぁ……、なんとなくよ……っ」
髪から頬、カラダへと、受けた雨粒があたしに降り注ぐ。
「取りあえず、濡れない場所に行こうよ」
「俺の家、すぐ近くだから」と、そう言ってあたしの手を掴む手を振り払った。
「ここで話して」
もう既に濡れちゃってるし、どこで話しても同じ。
どうせなら、出来るだけ早く話を聞きたい。
「……そうだね。じゃ、ここで話そう」
水沢日向クンはそう言って、ズボンのポケットから例のネックレスを取り出した。