【続】幼なじみは俺様王子。




降り止まない雨に強い風までもが吹き始め、冷えたあたしのカラダはもう凍えそうだ。


風で揺れる髪が邪魔っ気で、後ろに掻き上げた。


あたしが濡れて、自分だけ傘を差して濡れないのには気が引けたのか、


こんな雨だというのに、水沢日向クンは差していた傘を畳んで足下へと投げ落とした。


「これは俺と、彼女とのペアネックレスなんだ」


そう言って、あたしの前で十字架のネックレスをちらつかせて見せる。


ずっと前、教室で愛チャンが言ってた。


水沢日向クンが持っているネックレスは“愛する人と持つべき”と言われるネックレスで、

なかなか手に入らない貴重品。


それを手にしたふたりは永遠に結ばれるというジンクスがある。


シンボルとも言えるその十字架には“永遠の誓い”という意味が込められている、と。




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