【続】幼なじみは俺様王子。




昼食をオアズケされたことによる空腹感なんて忘れていた。


今は水沢日向クンの話で頭がいっぱいでそれどころじゃない。


「……本当に好きだった。ずっと一緒にいたいって、心の底から思ってたんだ」


何かを思い出すかのように、遠くを見つめて話す水沢日向クンの瞳は悲しいものだった。


そんな姿にあたしは声をかけることも、何かしてあげることも出来なくて、黙り込む。


「……美香。俺の最愛の人、って言っても今は連絡さえも取り合っていないから、彼女とは呼べないかもしれないけどね」


そう言って、悲しげに薄く笑った。


「美香とは、中学ん時からずっと恋人同士だった……」


そう呟いて、水沢日向クンはポツリポツリと心情を話し始めた。



………………―――――


話終わると、水沢日向クンはその場にしゃがみ込んで、長い前髪をくしゃりと握り込んだ。


どしゃ降りの雨がアスファルトを濡らして、徐々に水溜まりを作っていく。


水沢日向クンの話によるとこうだ。




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