【続】幼なじみは俺様王子。




だから、今までの思い出は全て捨てた。


初デートで行った遊園地で撮った写真、一年の記念日メール、誕生日に貰ったメッセージカード。


全て、捨てたつもりだった。


けど、脳裏に焼き付いた思い出と永遠の誓いを込めたこのペアネックレスだけは捨てられないまま。


そのまま、美香サンとは疎遠になったままだと言う。


もし、楓が突然どこかへ消えてしまったら

あたしはどうするのだろう……?


美香サンと自分を置き換えて、何故か胸がキュッと押しつけられた。


あたしだったら、きっと耐えられないや……。



「……だから、穂香を身代わりにしようとした」


「えっ……?」


水沢日向クンの長い前髪の間から揺れる瞳をあたしは逃さなかった。


目を伏せたまま、水沢日向クンは続ける。


「……似てるんだ。美香と穂香」


あ、あたしと美香サンが似てる……?


どういう意味?




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