【続】幼なじみは俺様王子。




ポカーンと口を開けたまま、頭の上にハテナマークを浮かべるあたしを見て、水沢日向クンは微笑した。


「ほら、そういうとこ。まるでそっくり」


「な、なに?どういうこと?」


全くワケが分からない。


「顔のパーツとかじゃなくて、髪型とか仕草とか……」


「どことなく、似てるんだ」そう呟いた水沢日向クンの声があまりに弱々しくて、今にも消えてしまいそうだった。


ギュッと胸が締め付けられて、キシキシと痛んだ。


そんなのお構い無しに、雨は容赦なくあたし達に降り注ぐ。


「だから、穂香を初めて見た時は驚いたよ。大切なネックレスを拾ってくれた女の子が美香と似てるなんて、マジで運命かと思った」


「水沢日向クン……」


「最低だよな、俺。美香と向き合おうともしないで、穂香を利用しようとしてたんだ……」


言葉を切った水沢日向クンが、揺れる瞳であたしに微笑みかける。


それは、あたしに向けたものではなく愛しき彼女に向けられたものだと気づくまでに、そう時間はかからなかった。




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