【続】幼なじみは俺様王子。



「なんでお前がいんだよ」

機嫌悪いオーラ全開の楓がため息混じりに、言い放つ。

「はあ? それはこっちの台詞だ、クソ王子」

それに負けんとばかりに爽は楓に突っかかった。

睨み合う2人を誰も止めようとはせず、みんな、苦笑いを浮かべながら見つめている。

あわわわわわわ……っ!

このままじゃ2人とも、ケンカになっちゃうよぉおおお!

どうにかしなきゃ!

あたしが2人の間に入って止めようとした時、ふわっと石鹸の香りがして、不意に金色の髪が揺れた。

「せっかく花見に来てるんだから、ケンカするなよ」

楓でも爽でもない、落ち着いた声。

あたしが、そうこうしてる間に、瀬川クンが仲裁に入ってくれたみたいだ。

「分かったよ……」

2人は渋々、承諾すると言い争いを止めた。

瀬川クンは、やれやれと言った表情で短いため息をつく。

楓と爽と瀬川クンは同じクラスだから、いつもさっきみたいに仲裁に入ってるんだろうな……。

あの2人、瀬川クンの言うことは聞いてるみたいだし。

どうやら、瀬川クンも大変な役職についてしまったようだ。



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