【続】幼なじみは俺様王子。




「……あ~、あったまったぁ」


家に帰ってきて数十分。


シャワーを浴びて、ほかほかのカラダに幸せを感じながらソファーに腰かける。


「風邪引くから、髪ちゃんと拭けよ?」


いつの間にか着替えた楓は、温かいココアの入ったコップをあたしに手渡した。


「ありがと……」


なんか、不思議というかなんというか……。


最近、まともに会話も交わしていなかったから、ちょっと気まずいな……


そんなことを思いながら向かい側のソファーに座った楓をまじまじと見てしまう。


「なんだよ?」


コップに口をつけながら不思議そうに目を丸くする楓。


「あ。いや……」


ヤバい……


なんか心臓がバクバクしてる。


「……あのさ」


しばらくの沈黙が流れた後、静かに楓が口を開いた。




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